七五三のご祈祷は必須?お参りや写真撮影だけでもよい?

七五三のご祈祷は必須?お参りや写真撮影だけでもよい?

祝事豆知識と準備するもの

七五三と言えば、本来は氏神様へお参りをしてお子様の成長の報告と感謝を伝え、健やかな将来を祈念することを指しますが、神社での御祈祷は必ず受けるものなのかという疑問をお持ちのパパやママもいらっしゃるかもしれません。
また、そもそも神社に行かずにフォトスタジオで写真を撮るだけで七五三を済ませてもよいのでしょうか。
今回は、フォトスタジオのスタッフが七五三にまつわる御祈祷や写真撮影について解説をします。

七五三のご祈祷は必須?

まず、七五三の意味合いから考えると地元の守り神である氏神様へご挨拶をすることが目的のため、神社で御祈祷を受けるというのが元来の慣わしです。
しかし、時代とともに行事や信仰のあり方に変化が生じることから、現代では必ずしもその習慣に倣わなければならないというわけではありません。
元々の意味や姿をきちんと理解したうえで、ご家族ごとに「我が家の七五三」のかたちを探していきましょう。
最近では御祈祷を受けずにご家族でお参りだけを行なったり、フォトスタジオでの写真撮影を以って七五三のお祝いとしているご家庭も増えています。

七五三の一般的な流れ

七五三という行事をフルで行なうとすると、どのような流れになるのでしょうか。
まずはその全体像を見てみましょう。
着物を着る場合にはそのお支度にはじまり、御祈祷、記念撮影、そして集まった親族でお祝いの食事会をすることが多くあります。
お支度から食事会の終了までは少なくとも4~5時間程度はかかるため、実施する場所へのアクセスやお子様の体力なども大きな検討材料になります。

流れ①着付けやヘアメイク

美容院に行ったり自宅に美容師さんや着付け師さんを呼んで着付けとヘアメイクをします。
着物やヘアメイクの内容により大きな差がありますが、所要時間は5歳さんで10~15分程度、3歳さんで20~30分程度、7歳さんになると30分~1時間程度かかることもあります。
大人も着物を着る場合には、更に1人あたり30分程度は見積もっておきましょう。
お子様の着付けが少しでもスムーズに進むよう、予め絵本などで「日本のプリンセスの服だよ」「お殿様と同じだね」など予習をしておくと、お子様も安心して袖を通してくれる確率が上がります。

流れ②ご祈祷

お支度が整ったら、神社へ向かいます。
予め御祈祷の予約ができる神社では、予約時間に受付をして御祈祷を受けます。
当日受付の神社では受付後に順番が来るのを待ちましょう。
秋の七五三シーズンの休日には数時間待ちということもあるため、できれば前日までに予約可能な神社を選ぶか、少しでも混雑を避けられる平日を狙いましょう。
御祈祷自体は15~20分前後のところが多いようです。

流れ③写真撮影

氏神様へのご挨拶が済んだら、境内で記念撮影をします。
神殿前や鳥居の前でのきちんとした写真は、ぜひ押さえておきたいカットですね。
他にも絵馬やおみくじなどのちょっと楽しいアイテムがあると、お子様の自然な笑顔が残せます。
パパやママのカメラでは全員が写るご家族写真が撮影できなかったり、なかなかよい瞬間を撮るタイミングが掴めなかったりすることもあるので、プロの出張撮影カメラマンに同行をしてもらうのがおすすめです。
フォトスタジオとは違う神社ならではの雰囲気の写真は、この日のご家族だけの特別なドキュメンタリー写真になるはずです。
フォトスタジオで撮影をする場合には、できればお参り当日ではなく前撮りや後撮りをおすすめします。
お参りとスタジオ撮影を同日で済ませられれば効率がよいことは確かですが、お子様にとっては想像以上に体力が必要です。
お参りを楽しい思い出にし、スタジオ写真をより素敵な笑顔で撮影するためには、できるだけ負担が少なくなるように無理のないスケジュールを組みましょう。

流れ④食事会

お参りの後は、お祝いの食事会です。
午前中にお参りをしてみんなで昼食をとるか、午後からゆっくりお参りをしてから少し早めの夕食をとるかのどちらが都合がよいかを検討しましょう。
できれば食事の前にお子様だけでも着物を脱いでおけると、汚損や体力消耗の心配もなくなり安心ですね。
お子様であればレジャーシートを持参しておくと1畳ほどのスペースでサッと着替えさせることができるので、鞄に入れておくことをおすすめします。
お子様の成長のお祝いなので、メニューはお子様も楽しめるものを選んであげられるといいですね。

七五三の服装

七五三と言えばなんとなく着物を着るイメージがありますが、着物にも色々な種類があり、七五三のお参りに相応しいものを選ばなければいけません。
また、着物以外にも選択肢があります。
お子様とご両親それぞれにマナーがあるので、それを踏まえてご家族に合うものを選びましょう。

お子様の服装

最も多くの方が選ばれるのが、着物です。
3歳であれば「三つ身」と呼ばれる着物に被布を合わせます。
お宮参り用の「一つ身」の着物を七五三用に仕立て直して着ることもできます。
5歳の七五三は初めて袴を身につける儀式でもあり、その上に羽織りをはおります。
守り刀である「懐剣」と「白扇」を帯に差し込んで仕上げます。
7歳は「四つ身」という着物に、「志古貴」「筥迫」「末広」といった華やかな装飾品を纏います。
花嫁さんの次に豪華な装いとも言われる7歳の着物を身につけた姿は、大きく成長したことを実感できる素敵な機会です。
洋装でのお参りの場合は、男の子ならスーツ、女の子であればフォーマルなワンピースや、ネイビー、グレー、ベージュなど落ち着いた色味とデザインのスカートスタイルが主流です。
境内は砂利などで足元が不安定であったり長時間の外出で疲れてしまうことも考えられるので、お子様の体力に合わせて洋装を選択し、フォトスタジオで着物の撮影をするというご家庭も増えているようです。
和装でも洋装でも境内は足元が悪い場所が多く、草履や履き慣れないフォーマルの靴では疲れてしまうことも。
必ず履き慣れたスニーカーと靴下も持参していきましょう。

ご両親の服装

まず基本的なマナーとして、七五三はお子様が主役であるため、ご両親はお子様を引き立てる服装を選びます。
洋装か和装かで言えば、和装の方が洋装よりも「格上」とされているため、お子様が和装であればご両親は和装でも洋装でも構いませんが、お子様が洋装であればご両親は洋装を選ぶことになります。
和装の場合、ママは訪問着または付け下げを着ます。
いずれも淡いパステルカラーだと写真うつりもよく、お子様やご家族全体でのバランスもとりやすくなります。
パパはママの着物と格を合わせるのがベストですが、お召し羽織袴か紬の着物に羽織がおすすめです。
羽織なしの着流しは七五三のお参りには相応しくありません。
洋装では、男女ともにスーツやワンピースなどのフォーマルな服装が正解です。
肌の露出はできるだけ控えましょう。
色はネイビーやチャコールグレーなどのダーク系か、ベージュなどの明るい色でもOKです。
スーツ自体が暗めの色であっても、シャツやネクタイ、ポケットチーフなどで華やかさをプラスするのがおすすめです。
慶事なのでお祝いの雰囲気を演出
しましょう。

七五三でお参りする際のマナー

神社やお寺でのお参りには、それぞれマナーがあります。
日常的にお参りをする機会がないと戸惑ってしまうかもしれませんが、そんなに難しいものではないので、予習をして堂々と当日を迎えたいですね。

神社でのお参り

神社の入口には鳥居があります。
鳥居は人間が暮らす外の世界と神様の世界を分けるためのものです。
神社に到着をしたら、まず鳥居の一歩手前で立ち止まり身なりを整え、心を静かに落ち着かせてから腰を15°ほど折り頭を下げます。
鳥居は中央をくぐるのではなく、必ず左右どちらかの端から入ります。
この時に鳥居の中央から遠い方の足から踏み入れましょう。
境内では入口の近くに手水舎があるので、そこで心と体の穢れを清めます。
左手、右手、口の順に水を掛けてゆきます。
身を清めて心も落ち着いたら、御祈祷の受付に向かいましょう。

お寺でのお参り

七五三のお参りは元来は土地の神様である氏神様へお子様の成長を報告することとされていますが、現代では多くのお寺でも七五三の御祈祷を受けることができます。
仏教ではご先祖様の霊や仏様に感謝をする目的でお参りをします。
お寺での七五三は神社ほど一般的ではありませんが、ご家族が納得していれば選択肢に入れてみるのもいいですね。

七五三で写真撮影だけするメリット

七五三のお祝いを、お参りなしでスタジオでの記念撮影だけを行なうというご家庭もあります。
信仰や慣わしにとらわれず、ご家族でお祝いをする記念日という考え方であれば特に問題はありません。

準備が楽になる

お参りや御祈祷、食事会をせずに写真撮影だけを行なうのであれば、準備がグンと楽になります。
フォトスタジオにはレンタル衣装があり、その場で着付けやヘアメイクをしてもらうことができます。
ご家族撮影で使用するご両親の服は持込であることがほとんどですが、それ以外は手ぶらで行ってすべておまかせで大丈夫。
プロが素敵な写真に仕上げてくれます。
もし祖父母も一緒にお祝いをしたいということであれば、せっかくなので撮影に参加をしてもらうか、撮影後に一緒に食事会をするのもひとつの方法です。

時間がかからない

一般的にフォトスタジオでの所要時間は2時間程度なので、七五三に丸一日を費やして家族全員が疲れ果てる…ということもありません。
着物を着ている時間も約1時間程度と短く、空調の整った屋内でこまめに休憩もできるので、お子様への負担も少なくて済みますね。
もし着崩れがあってもその場にプロがいるので安心です。

まとめ

七五三のお祝いの方法について解説をしました。
ただなんとなく着物を着てお参りをするだけではなく、意味や由来を知っているとより想いのこもったお祝いの日になりますね。
基本的なマナーや慣わしを理解したうえで、ご家族にとって最適な七五三のお祝いの仕方を考えてみましょう。
お子様の成長をお祝いする素敵な1日になりますように!